青森県大間産 本マグロ解体ショーを実施した感想

2020-12-21

 解体ショーを実施した感想と聞かれて、まず頭をよぎる言葉は「疲れたぁ~!」です。「西村さん(私自身)大間マグロの解体ショーをやりましょう」という同僚の言葉に「やろう・やろう」と軽い気持ちで引き受けました。時化が続き、なかなか希望したサイズ(70kg程度)のマグロが水揚げされず、予備としてキープしていた34kgのマグロでやろうと決まりかかった次の日、悪魔の同僚からの電話が鳴った!
 同僚「西村さん168kgです。」、私「何のこと?」、同僚「買っちゃいました」、私「だから何の話?」、同僚「マグロですよ。マグロ!大間の!」。
私、頭の中が真っ暗と言うか・・・混乱して「誰が捌くの?」って聞いてしまいました。

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 これまでは養殖の90kg程度のマグロを解体した経験はありましたが168kgのマグロは初体験!しかも青森県大間の天然マグロ! 価格もサイズもこれまでとは桁違い!これで解体ショーかと思うと、その日を境に私は毎日寝不足気味の生活。
 とうとう解体ショーの当日!168kgのマグロがついに姿を現しました。
周りの同僚は「凄くおっきいぃ~」とか「美味しそう」とかのんきなコメント!
私には「マグロ自身が捌けるのなら捌いてみろ」と言わんばかりの雄大さと威厳を放っているように見えました。
 私が頼りにできるのはおよそ25cm程度の出刃包丁!正直、足がすくみました。

 

いよいよ解体ショーの開始!

カマの部分を切り取る作業に入り、一番最初に包丁を入れた瞬間、包丁が綺麗にマグロを切り裂きました。その時はじめて「いける」と感じました。
 次にマグロの肩と腹の部分にわける重要な切込みを入れる作業!
168kgのマグロは片方の身の厚さ(高さ)でも30cm程度あり、私の頼りの出刃では一刀両断というわけにはいきません。

おまけにマグロの脂が包丁にまとわりついて切れ味が明らかに落ちました。「こりゃ~あかん駄目じゃ~」と思った瞬間!
私の後方より新しい包丁が届きました。切れ味抜群のこの包丁!正直助かりました。

 解体ショーならではのお客様を引き付けるトーク(出来ていたか)は正直わかりません。しかしながら、無事解体を終えると張りつめていた緊張感から解放され、安心感から全身が急に重くなり、自分の体ではないように思えました。
両腕は痙攣し、手の握力はコーヒーを入れた紙コップを掴むのが精一杯の状態でした。
「疲れたぁ~」と声をあげながら休憩したことを覚えています。
全国に数あるスーパー・魚屋さんがございますが、150kgを超えるマグロを捌いた経験のある方は多くないと思います。
 一生に一度経験できるかわからない経験をさせて頂きました。上司と悪魔の同僚、そしてAコープながと店「今は大変感謝」しております。
ありがとうございました。

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